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オフシアター上映作品

審査は、女優・脚本家の近衛はなさんと脚本家の道又力さん のお二人が務めました。
閉会式では、審査員を代表して、近衛さんが講評を述べました。


講評を発表する近衛はなさん

受賞の喜びを語る伊野紗紀監督

受賞の喜びを語る高橋政彦監督
タイトル 監督 講評
モノクロームで鮮やかに 川本 紘生  三作品のなかでもオリジナリティが際だち、「作家性」のつよい作品だった。モノクロとカラーで構成され、映像表現の可能性をさぐる斬新な美意識が感じられる。画面の、「光」の捉え方が印象的だった。
 しかし、スタイルが前面に出ているぶん、作品の全体感という観点からは未熟さが垣間見られた。脚本(独特のテイストがある)も、このテイストでゆくならばもっとハイクオリティなものができたのではないかと思わされた。  この映画手法にはもっともっと先があると、観る側を欲張りにさせる作品である。次回作に期待したい。
正当防衛 伊野 紗紀   人材派遣会社に転職した女性が、派遣スタッフ、顧客、後輩、上司などの人間関係のなかで様々なトラブルにあい、精神的に追い込まれていく様を描いた作品である。
 わずか16分という短い時間のなかで、人間心理の一端がリアリティをもって丹念に描かれていた。
 カメラワークや編集その他の要素をとっても、技術的にはプロフェッショナルに近く、「見せる」という作り手の姿勢が感じられた。
 しかし、ラストシーンはあれでよかったのか、結局「映画」をとおしてなにを表現したかったのか等、疑問も残った。
黄色いライスカレー 高橋 政彦  失職中の男性が、少年時代を過ごした暗い想い出のある町を訪れ、そこで自分が失いかけていた大切なものを取り戻すという内容。
映画作りへの情熱、映画愛のようなものが画面から滲み出ている、ホロリと涙をさそう、ヒューマンな映画だった。
 作品の「完成度」はそれほど高くなかったかもしれない。が、ほどよく力の抜けたのびのびとした作品の雰囲気の魅力が、欠点を 凌駕 りょうが していた。作品を貫くテイストを裏切るような、「意外性」もあった。
 これからも愛情ある映画制作を続けていってほしい。